特定非営利活動法人コンシューマーズ京都(京都消団連)

コンシューマーズ京都の10年のあゆみ

  • HOME »
  • »
  • コンシューマーズ京都の10年のあゆみ

コンシューマーズ京都の10年のあゆみ

一、はじめに
コンシューマーズ京都は、2003年10月1日、京都府から「消費者の保護を図る活動」及び「環境の保全を図る活動」をすすめるNPO法人として認証され、同11月1日からNPO法人として活動をはじめました。それから10年が経過しました。
この間、時々の消費者問題にたいして、京都の消費者の願いを代表する消費者団体として発言と行動を継続し、消費者政策の実現にむかって力を尽くしてきました。
消費者団体の果たすべき役割については、消費者基本法において「消費者団体は、消費生活に関する情報の収集及び提供並びに意見の表明、消費者に対する啓発及び教育、消費者の被害の防止及び救済のための活動その他の消費者の消費生活の安定及び向上を図るための健全かつ自主的な活動に努めるものとする」(第8条)と規定されていましたが、昨年、消費者教育推進法が成立したことにより、あらためて「消費者市民社会」にむかって消費者団体の果たすべき役割が強調されました。
私たちも、NPO法人化10周年をむかえるにあたり、この10年のあゆみをふりかえり、この間の活動から教訓や課題を引き出し、また新たな10年にむかっていく必要があります。

二、NPO法人化でめざしたもの
コンシューマーズ京都の前身は京都消費者団体連絡協議会でした。
1972年7月に結成された京都消費者団体連絡協議会は31年余にわたり、ときどきの消費者問題をとりあげ、消費者運動の発展のために役割を担ってきましたが、時代が変わり、社会も、経済も、消費者の意識や行動も大きく変化し、消費者運動や消費者団体のあり方が問われる中で、京都消費者団体連絡協議会の組織改革の検討がすすめられました。他方で、特定非営利活動促進法において「消費者の保護を図る活動」をすすめる特定非営利活動法人が認められるようになりました。
このようなことから、2003年4月30日、京都消費者団体連絡協議会第31回総会においてNPO法人化を決定し、必要な手続きを経て、2003年10月1日、京都府にNPO法人として認証を受けたものです。
NPO法人化にあたっては、とくに以下の点を重視しました。
1 ひとりひとりの消費者・市民に「ひらかれた組織」へ
京都消費者団体連絡協議会はその名のとおり「団体連絡協議会」でしたが、これからはその点をふまえながらも、ひとりひとりの消費者・市民に「ひらかれた組織」にしていく必要があるということから、個人会員制度についてもとりいれました。
2 「信用力」の基礎としての法人格
これからの活動を展望したとき、外部からの助成金などの財政的な支援をえて活動を進めていく必要がでてくる、その場合、「任意団体」ではなく「信用力」の基礎としての法人格が必要とされるだろう、消費者団体が法人格を取得する場合、NPO法人化が最短距離のところに位置している、ということから、NPO法人化にふみきることにしました。
3 「公益性」が第三者的に評価されるように
NPO法人化を機に、組織運営の透明さを高め、その活動に「公益性」があるのかということを第三者的に評価されるようになればよいという思いがありました。この点では、NPO法人についての社会的な評価がたかまっていたことも判断材料になりました。
このようなことから、NPO法人化をはかり、「消費者問題・くらし・環境問題に関わる意識啓発・教育活動、情報提供、調査・研究ならびにそれに関わる提言とその実現をめざす活動をすすめることを通じて、消費者の権利の確立と消費者の保護及び環境の保全を図ることをめざし」(設立趣意書)、あらたな活動をはじめたのです。
その後、活動をはじめるなかで、活動テーマのひろがりに対応すべく、定款の「事業」項目に「企業評価を通じて公正な市場、環境調和型社会を実現する活動」「消費者団体訴訟制度を通じて消費者の権利の確立をめざす活動」を付け加えました。

三、この10年の活動から
1 消費者政策の実現にむかって
この10年間の消費者政策の展開をふりかえると、主なものだけでも
2004年 消費者基本法制定
2006年 消費者契約法改正(消費者団体訴訟制度の実現)
2009年 消費者庁設置
2012年 消費者教育推進法
などがあげられます。これらの消費者政策の展開にたいして、そのときどきに、消費者団体の立場から意見を表明し、また、それらをふまえた消費者団体の活動を続けてきました。
また、地方自治体の消費者行政についても、国段階の消費者政策の展開に対応して充実が図られてきました。京都府でも、京都市でも、消費生活条例の改正が行われました。また、地方消費者行政活性化基金事業などをうけた消費者相談窓口整備や消費者啓発に関する各種施策がすすめられました。
コンシューマーズ京都としても、「消費者力パワーアップセミナー」(1)や「消費者力向上委員会」(2)の活動など、京都府、京都市の消費者行政とのタイアップ型の取組みをすすめてきました。
(1)消費者力パワーアップセミナー 京都市、京都生協、コンシューマーズ京都の協働によるセミナーで、この間、年々、企画実施されています。
(2)消費者力向上委員会 京都府生活協同組合連合会、京都生協、京都消費者契約ネットワーク、コンシューマーズ京都で構成する消費者啓発団体。2012年度、京都府からの委託をうけ、さまざまな活動を展開しました。
消費者団体訴訟制度が実現するなかで、京都消費者契約ネットワーク、消費者支援機構関西など、適格消費者団体との連携も重要になっています。
消費者教育推進法の施行をうけて消費者団体が消費者教育の推進を図ることが一層もとめられるようになりました。これまでの活動のなかで培った経験をいかし、さらに可消費者教育活動を継続発展させることが必要です。

2 食の安全・安心をめざして
BSE問題の経験と教訓をふまえて、2003年に食品安全基本法、食品安全委員会が設置され、さらに、2004年の鳥インフルエンザ問題やあいついだ「食品偽装」問題などを経て、国段階でも、地方自治体段階でも、「食の安全・安心」行政が重視されるようになりました。京都府では鳥インフルエンザ問題を経験したことをふまえ、2005年、全国の自治体にさきがけて「京都府食の安心・安全推進条例」を制定しましたが、この過程では消費者の意見反映に努めました。
コンシューマーズ京都は、毎年の食品衛生監視指導計画に意見を表明してきましたが、京都市に対しては「食の安全・安心」に関する条例の制定を求めて活動し、2010年3月、「京都市食品等の安全性及び安心な食生活の確保に関する条例」が制定されることになりました。
この間、遺伝子組み換え食品、BSEの全頭検査問題、放射能による食品汚染など、食の安全・安心に関する「リスクコミュニケーション」の重要性が強調されるなかで、消費者団体の果たすべき役割が大きくなっています。
食料自給率向上をめざして「ごはん食」推進、食育活動、地産地消の取組みがすすめられてきましたが、これらの活動はこんごも継続発展しなければなりません。とくに、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)をめぐる交渉のなかで日本の農業のあり方が問われています。消費者の立場からこの問題について意見表明をしていくことがきわめて重要です。

3 環境問題
地球温暖化問題では、2005年2月、「京都議定書」が発効し、京都府、京都市でも、地球温暖化対策が重要な課題になりました。そして、事業者、行政、消費者・市民のパートナーシップ型の活動の重要性が強調されました。コンシューマーズ京都も、京都府地球温暖化防止活動推進センター、京のアジェンダ21フォーラム、京都グリーン購入ネットワーク、気候ネットワークの活動等に参画しながら、このような動きに対応してさまざまな活動を展開してきました。
循環型社会形成の領域では、京都市の廃棄物行政の展開に意見表明を行うとともに、京都市ごみ減量推進会議の活動に参加してきました。また、コンシューマーズ京都としては「家庭から出るやっかいなごみ」にこだわった活動を継続し、蛍光管の適正処理をめざす活動をすすめてきました。このなかで一般社団法人蛍光管リサイクル協会(3)が結成されました。この活動は、この10月、水銀条約が締結されるなかで、ますます重要な社会的意義をもつようになっています。
(3)一般社団法人蛍光管リサイクル協会 蛍光管の適正処理のために蛍光管リサイクル事業者、ビル関係者などとともにつくりあげた組織で、コンシューマーズ京都が事務局を担当しています。オフィスビルから排出される蛍光管の協働回収の取り組みなどをすすめています。
「3・11」を経て、原発に頼らないライフスタイル、社会経済システムづくりの課題が重要になりました。「バイバイ原発」運動に加わるとともに、消費者・市民の立場から省エネ・節電にとりくむとともに、再生可能エネルギーに注目し、こんごの活動の方向を見出すための検討をすすめてきました。

4 くらし、税と社会保障
高齢化社会を前に税と社会保障の制度改革が国民的な課題になりました。この問題については、くりかえし学習・意見交換を行ってきましたが、2012年4月、この問題についてのコンシューマーズ京都の基本的立場を明らかにした。
2014年4月からの消費税率の引き上げにあたっても、消費者団体の立場から意見表明を行ないました。
2013年に実施された関西電力の料金値上げ問題に関わっては、消費者団体の立場から問題点を指摘し、原価計算・料金改定手続きの透明性を高めるうえで役割を発揮することができました。この活動には長年にわたって継続してきた関西消費者団体連絡懇談会の活動の経験が十分に活かされたといえます。

5 平和・憲法
平和がくらしの基礎であることから、毎年、京都の生協が中心になって行われる「ピースパレード」などの活動に参加してきました。核兵器廃絶にむかって手をつなぎ、声をあげていくことが必要です。
日本国憲法改正の動きも重要です。ひきつづき学習・意見交換を重ねていく必要があります。

6 防災
「3・11」以後、南海トラフの大地震の可能性、京都の直下型地震の可能性などがさまざまな機会に論じられるようになりました。また、集中豪雨等による自然災害がくりかえし発生しています。
このようななかで、消費者の立場から「いざ」という時に備え「災害から身を守る」ために必要な知識や判断力、行動力を身につけることができるように、啓発活動を進めることが必要になってきました。コンシューマーズ京都としても消費者教育プログラムのなかにこのテーマを位置付け、関係団体とも連携しながら、取組みをすすめる必要があります。

7 組織・財政
NPO法人化するにあたり、「ひらかれた組織をめざす」ということを目標にしましたが、実際には、この間、会員組織を大きくひろげることはできませんでした。
このようなことから、コンシューマーズ京都の10周年を迎えるのにさきだち、コンシューマーズ京都のこんごの発展のために、あらためて会員組織のあり方について検討するために、2013年、「組織財政委員会」を設置し、検討をすすめました。
財政については、この10年、各種助成金や委託事業などに恵まれ、着実に運営することができましたが、こんごの活動の基盤となる健全な財政を実現するためには、ひきつづき各種助成金や委託事業を活用するとともに、自主的な財源確保の努力をつよめるための取組みが必要です。
総会や理事会などの機関運営、NPO法人としての諸実務等については、みなさまのご協力のもと、基本的に問題なくすすめられてきたといえます。

8 事務局体制
消費者団体の役割がさまざまな場で取り上げられ、また、実際に対応しなければならない課題がふえるなかで、事務局体制の強化が課題になってきました。
これまで理事長と事務局長、理事長とパート職員の体制でなんとか事務局を支えてきましたが、2013年度から会員の特別の協力により、コンシューマーズ京都の事務局体制強化が実現しました。この機会に、こんごのコンシューマーズ京都の発展を支えるにふさわしい事務局のあり方を具体化していく必要があります。

四、コンシューマーズ京都のこれから
これまでの10年の活動は、みなさまのご協力のもとに、さまざまな活動領域で多くの成果をあげてきたといえます。こんごの発展のためには、これまでの活動の成果や到達点をふまえながら、新たな時代にふさわしい消費者団体としての活動を創りあげていかねばなりません。
当面、消費者教育推進法との関係で、「消費者教育」推進の活動が重要になっています。
この課題は、まさに「消費者の保護を図る活動」「環境の保全を図る活動」という2つのジャンルのNPOとして活動してきたコンシューマーズ京都の強みを発揮するものであるということができます。消費者契約トラブルから身を守る、環境教育、食育、金融教育、製品・デザイン、終活支援、災害から身を守る、企業との対話、などなど、コンシューマーズ京都がこれまで幅広い領域での消費者啓発にとりくんできたことがすべて活かされるもので、自治体の消費者行政とのタイアップ事業として展開できる条件を十分にもっているといえます。これからの数年間、この分野に力をいれ、京都における「消費者教育推進センター」機能の確立をめざしたいものです。
それと同時に、各分野ごとの運動課題をそれぞれかかげ、取組んでいかねばなりません。以下、当面する課題を列挙しておきます。
<消費者政策>
あらたな消費者訴訟制度への対応
<食の安全・安心>
本当に必要なリスクコミュニケーションのあり方を探る。
消費者のための食品表示制度の実現
<環境>
省エネ・節電の推進、原発に頼らないエネルギー政策の実現
気候変動対策 IPCC第5次報告書とCO2削減
水銀条約批准と国内対策推進
<くらし、税と社会保障>
消費税増税反対
大企業からの増税、富裕層からの増税など「税の所得再配分機能」をいかす税制改革を
社会保障制度の将来ビジョンづくり
<平和・憲法>
<防災>
これらの活動をすすめていくうえで、コンシューマーズ京都の組織・財政基盤の強化、事務局体制の強化はますます重要になってきます。
みなさまのご協力のもと、「組織財政委員会答申」をうけての検討、取組み実施をすすめたいものです。<文責:原  強>
(NPO法人コンシューマーズ京都の「設立10年記念行事」記念誌に掲載したものです。)

アーカイブ~最近の取組報告

PAGETOP